妻の幸せと子の幸せ(2)

結局、妻は仕事を辞め学生になりました。学校は4月スタートなので、5月生まれのHannaは1歳の誕生日を待たずして保育園に行くことになりました。

これを決断するまでには、私と妻はそれぞれ、かなりの葛藤がありました。妻は、自分のやりたいことをするために、子供を犠牲にするという感覚があり、世間や親類も「あの人は、1歳にもならない子供を保育園に預けて自分の好きなことをやっている(母親として問題だ)」と思われるということで悩んでいました。

私自身は、自分のやりたいことをやっているし、この先もやりたいこと以外できないと思っているので、妻がやりたいことをするのに反対することはできません。実際、妻にもやりたいことをやって悔いのない楽しい人生を送って欲しいと思っています。
でも、まだまだ母親が恋しいHannaを保育園に出すことには、心から賛成することもできませんでした。そのころHannaは、ほとんど母乳のみで育っていましたし、夜寝るときも母親としか寝られませんでした。そのHannaが昼間、母親と離れなければいけないのは、どうしても哀れと思えたのです。

「親が自分のやりたいことをやって幸せな人生を送ってみせることが子供に一番よい」
という考えは変わりません。でも、目の前に「おかあさーん」と泣く子供がいれば、母親に自分を犠牲にしてでも子供のそばにいた方がよいのか・・・という考えが頭をよぎる。
それでも、それを言えば、確実に妻は、Hannaを保育園に預けて自分が、学校に行くとは決断しないと分かっていたので、私は、常に「絶対、仕事を辞めるべきだ。」と強く勧めていました。

親たち二人の悩みの結末は、妻は仕事を辞め学校に通い始め、Hannaは、毎日私と一緒に片道40分のドライブをして保育園に行くことになったのです。

その後の1年で、妻とHannaはどう変わったのか、また次回にします。
(つづく)