森の声を聴く

街の中にいると聞こえないのですが、私の自宅は山の中なので、いろいろな音が聞こえてきます。
鳥の声、虫の声、蛙の声、ハチの羽音・・・

昔流行った演歌にある「季節が都会ではわからないだろうと・・・」という本当の意味が、この家に引っ越して分かるようになりました。

都会にいるよりも圧倒的に季節を感じることができるのです。
景色はもちろん、音、においなどいろいろな感覚で感じることができるのです。

季節だけでなく、天気も音やにおいで分かるようになってきました。雨が降る前には、かならずカエルが鳴き出します。ホントに一斉に鳴き出します。そして、雨のにおいがします。そうしたらほぼ間違いなく5分以内に雨が降り出します。

昔の人は、あたりまえにみんな持っていた感覚なのだと思うのですが、私もここに引っ越してきた直ぐには分かりませんでした。もちろん、聞こえていたり、におっていたのだと思いますが、気づけなかったのです。

先日、どこかの大学の先生がラジオで言っていたのですが、味覚に優れている人は、舌などの感覚器官の能力が高いわけではなく、それを処理する脳の能力が高いのだそうです。
人間の感覚器官そのものの性能の差はあまりないのだそうです。
そう考えると、都会に暮らしていた私の脳は、昔の人に比べて自然を感じる能力が落ちていたのだと言えます。それが、少し戻ってきたようです。

このボロ家、やはり引っ越してきてよかったと思います。